透明な樹脂ーアクリル・ポリカ透明・PET透明・塩ビ透明の違いは?ー

透明な樹脂はその光線透過率の高さから、様々な需要があります。

透明な樹脂というと、アクリルとポリカーボネートの透明色が比較として挙げられることが多いです。
他にもPET透明や、塩ビ(PVC)透明も透明な樹脂です。
では透明な樹脂の加工品が欲しい際に、材料としてどれを選べば良いのでしょうか?

一見同じように見える透明な樹脂ですが、その特性にはしっかりとした違いが見受けられます。
では、その具体的な違いとはどこなのでしょうか?

各種透明樹脂の違い

【アクリル(PMMA)】
アクリルは透明な樹脂の中でも全光線透過率が高く、ガラスの92%を超える93%の全光線透過率持ちます。
強度はガラスの10~16倍の耐衝撃性がありますが、比較的割れやすいので注意が必要です。
また可燃性樹脂であるため、火に近い場所で扱う部品には使わないようにするのがよいでしょう。
優れた耐候性を持つため、屋外で使用する装飾やディスプレイ、自動車のランプ、水槽などに使われます。

他の樹脂に比べて全線透過率が高いことが大きな利点である樹脂です。
▶アクリルの詳しい特徴と加工方法・事例についてはこちら

【ポリカーボネート透明】
ポリカ透明は89%の全光線透過率を持ち、アクリルに次いで透明度が高いと言えます。
耐熱温度は120℃あり、透明な樹脂の中では一番熱に強いエンジニアリングプラスチック(エンプラ)です。
またプラスチックの中でも最高クラスの耐衝撃性を持つためアクリルと同様の使い方をされるほか、
ヘルメット等の衝撃を受けやすい部品に使われます。

他の樹脂に比べて高温衝撃に強いことが大きな利点である樹脂です。
▶ポリカーボネートの詳しい特徴と加工方法・事例についてはこちら

【PET透明】
PET透明は87%の全光線透過率を持ち、アクリルの4倍程度の耐衝撃性を持ちます。
燃やしても有毒ガスが発生しにくいほか、食品衛生法に適合しているため、
機械カバーやペットボトル、包装フィルム、食品用容器に使われています。

他の樹脂に比べてコストが低いことが大きな利点である樹脂です。
▶PETの詳しい特徴と加工方法・事例についてはこちら

【塩ビ透明】
塩ビ透明は83%の全光線透過率を持ち、耐薬品性に優れています。
(一部の有機溶剤や塩化物には弱いため、薬剤のある条件下で使う場合にはメーカーの耐薬品性リストをご確認ください。)
加工性が良く、樹脂の中では比較的安価であるためコストダウンの面でも優れた樹脂です。
主に上下水道用のパイプや電線被覆、建材などのライフラインにも用いられます。

他の樹脂に比べて薬品に強くコストが低いことが大きな利点である樹脂です。
▶塩ビの詳しい特徴と加工方法・事例についてはこちら

以下は透明樹脂4種の物性比較参考値です。

アクリル ポリカ透明 PET透明 塩ビ透明
全光線透過率
耐熱温度 80℃ 120℃ 55℃ 60℃
耐衝撃性
耐薬品性
耐候性
コスト

各樹脂にそれぞれ先述した長所と短所がありますので、作る加工品が何に使うものであるのか、何を重要視するのかをよく考えて選ぶのがよいでしょう。

制電グレードとは?

ポリカーボネート透明とPET透明の材質に「制電グレード」があります。
制電グレードは「静電気防止」を目的としたグレードで、ホコリ付着を嫌う機械カバーやクリーンルームなどで使用されます。

制電グレードや、その他の静電気防止用のグレードについて知りたい方はこちら>樹脂の電気特性

透明な樹脂加工

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