よく機械部品に使われる樹脂として、MCナイロンとPOMがあります。
どちらもエンジニアリングプラスチック(エンプラ)であり、よく比較される樹脂ではありますが、どのようなところに違いがあるでしょうか?
各樹脂の違いに着目して比較してみましょう。
よく機械部品に使われる樹脂として、MCナイロンとPOMがあります。
どちらもエンジニアリングプラスチック(エンプラ)であり、よく比較される樹脂ではありますが、どのようなところに違いがあるでしょうか?
各樹脂の違いに着目して比較してみましょう。
【MCナイロン】
MCナイロンはエンジニアリングプラスチックの一種で、主原料であるナイロンモノマーを大気圧下で重合・成型するキャスト法を用いることで、ナイロンの特性を向上させた樹脂です。
ほかのナイロンの成形として射出成型や押出成型がありますが、キャスト法で作られたMCナイロンは耐熱性(連続使用温度120℃程度)・機械的強度・耐摩耗性・化学的性質が従来のナイロンよりも向上しています。金属に比べて定量で取り扱いしやすいため、機械に使われる金属部品の代替品として使用されることもあります。
またMCナイロンは添加剤を配合した特殊グレードが存在し、耐候性や摺動性、導電性に優れたものなどそれぞれ長所が増えたものが存在します。
しかし吸水性・吸湿性が高く、酸に弱いという短所があり、さらに食品衛生法に適合させるには沸騰水で1.5時間煮沸しなければなりません。
POMに比べて耐熱性と衝撃性に優れる樹脂です。
▶MCナイロンの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら
【POM】
POMもエンジニアリングプラスチックの一種で、一般的にポリアセタールと呼ばれる熱可塑性樹脂です。
ポリアセタールにはコポリマー(ジュラコン®など)とホモポリマー(デルリンなど)があり、よく耳にすることが多いであろうジュラコン®はこのコポリマーの代表格になります。
POMは機械的強度、耐摩耗性に優れ、自己潤滑性や耐薬品性もあるため、MCナイロンと同様に機械部品を中心として活躍しています。
短所として酸に弱く燃えやすいことと、耐候性が良くないことが挙げられます。
MCナイロンに比べ寸法安定性に優れた樹脂です。
▶POMの詳しい特徴と加工方法・事例についてはこちら
MCナイロンとPOMの違いについては先述しましたが、作る加工品が何に使うものであるのか、何を重要視するのかをよく考えて選ぶのが良いでしょう。
MCナイロンとPOMであれば、耐摩耗性や耐薬品性に優れる点など、似た部分が多いので欠点から見て決めるのが一番分かりやすいと思います。
例えば、高温になる場所で使うのであればより耐熱性の高いMCナイロンを選び、
何かにはめ込む部品等で精度が必要だったり、湿気が多い場所で使う場合は基本POMを選ぶ、などです。
MCナイロンとPOMで十分使用目的を満たせる加工品であれば問題ありませんが、もし両方とも苦手である酸条件下で使う予定のある加工品であれば、他のエンジニアリングプラスチックも選択肢に入れたり、より高い耐熱性が必要である場合はスーパーエンプラが必要になってくるかもしれません。
最適な材料選びが出来るよう、使用目的や環境をよく確認する事が大切です。
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