耐薬品性に優れた樹脂ー塩ビ・PET・PP・PEEK・PPS・テフロンー

薬品を使う場で樹脂部品を使いたい場合、材料となる樹脂には耐薬品性が不可欠になります。
耐薬品性に優れた樹脂として良く挙げられるものに、汎用プラスチックでは塩ビ(PVC)とPET、ポリプロピレン(PP)があります。
また、スーパーエンプラのPEEK、PPS、テフロン(PTFE)も耐薬品性に優れることが知られています。

しかし一口に耐薬品性に優れるといっても、中には材質によって苦手な薬品があります。
各樹脂の違いに着目して比較してみましょう。

材料ごとの耐薬品性の違い

【塩ビ(PVC)】
塩ビは特に酸・アルカリ・塩類に強い耐性があります。
一方で有機溶剤や塩化物に対しては弱く、注意が必要です。
機械的強度にも優れる為、各種科学装置にも安定して使用できます。

▶塩ビの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

【PET】
PETはアルカリに耐性があるほか、耐油性に優れることで知られています。
一方で酸や一部の有機溶剤(フェノール・クレゾールなど)に弱いことも知られています。
機械カバーや絶縁材料、光学用機能性フィルム等に使われます。

▶PETの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

【ポリプロピレン(PP)】
特にアルカリに耐性がありますが、一部を除く有機溶剤に弱い樹脂です。
軽く耐薬品性にも優れるため、理科学分野で一部の薬品を入れる容器に使われるほか、業用ライニング、科学機器製品などに使われます。

▶ポリプロピレンの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

【テフロン(PTFE)】
テフロンはほとんどの薬品に侵されない耐薬品性を持ちます。
高温高圧下のフッ素ガス、フッ素系化合物、溶融アルカリ金属にわずかに侵されますが、それ以外に強い耐性があります。
理化学器具やコック、ベアリング、パッキン、槽(半導体関連)、精密電子機器部品、撹拌機、実験用容器に使われます。

▶テフロンの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

【PPS】
PPSは耐薬品性に非常に優れたスーパーエンプラで、
有機酸や塩酸、硫酸のような無機強酸、強アルカリにも侵されることはありません。
半導体・液晶産業用の各種部品や化学プラント関連製品、電池製造装置部品、メッキ・コーティング加工関連部品などに使われます。

▶PPSの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

【PEEK】
PEEKは樹脂としては最高クラスの耐薬品性を持つスーパーエンプラです。
濃硫酸、濃硝酸、飽和塩素水以外には浸食されることはありません。
半導体・液晶産業用の各種部品や、メッキ工程用の各種部品、理科学機器用部品、食品加工機械の各種部品などに使われます。

▶PEEKの詳しい特徴・グレードと加工方法・事例についてはこちら

他各樹脂の耐薬品性表はこちら(参考値)

材質決定は何を基準に決めるべきか?

薬品耐性には樹脂ごとに差があります。
作る加工品が何に使うものであるのか、何を重要視するのかをよく考えて選ぶのが良いでしょう。

同じ薬品に対し耐性を持つ樹脂であっても、その他の性質(耐熱温度や強度など)が異なるため、
実際に丈夫なものがいいのか、摺動性がある方が望ましいか等、それぞれの樹脂のその他特性と合わせて材料を決めていく必要があります。

今回はざっくり薬品の分類から耐薬品性を比較しましたが、各樹脂取り扱い会社の物性表では薬品個別ごとの耐性を示しているものもあります。
特定の薬剤を多く使うことが分かっている場所では、樹脂取り扱い会社の物性表を確認するのが確実です。

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